夢を現実にするために。

世田谷・目黒・渋谷で不動産投資を始めたいという方に、夢を現実にする第一歩として、役立つ情報をまとめたコラムをご用意しました。不動産投資の知識をしっかりと身に付けることで、失敗しないための工夫はいくらでも出来ます。日々変化する投資市場に対応するために、最適な資産運用の方法を常に追い続けましょう。


第10回 -融資成功の秘訣は、良い担当者を探し続ける“粘り強さ”にあり-

ラジオ番組10回目のテーマは「成功する融資 失敗する融資」。新たにビジネスや不動産投資を始めるにあたっては、ほとんどの人が事業資金を銀行融資に頼るはず。だが同じ融資額、事業計画でも、融資担当者によって成功するケース、失敗するケースが存在する。その理由は?どう対策すべき?信用金庫で長らく融資経験を重ねてきたフェイスネットワーク代表・蜂谷二郎が、リスナーの不安にお応えする。


成功する融資と失敗する融資の決定的な境目は何だろう。決め手は何か。ホームページ上では知り得ない事情が、銀行内部にある。

融資を成功させたいリスナーに向けて、ラジオパーソナリティの内田まさみ氏が、信金の元融資担当だったフェイスネットワーク代表の蜂谷二郎にさまざまな疑問を投げかけた。

不利なのは「夢やビジョンに欠ける人」

「金融機関からみて『融資したい人』はいると思うんですけど、逆に『融資したくない人』もいると思うんですね。違いってどこから生まれるんですか?」

内田氏の質問は、そんな素朴な疑問から始まった。実際どうなのか。蜂谷は「他力本願の人」と回答した。属性や事業性云々だけでなく、書類だけでは見抜けない人間的な部分に着目する旨を述べた点が意外に感じた。

他力本願の人とは、「夢やビジョンを明確に持つわけでなく、単なる好景気や流行に流されて突発的に『私も(不動産投資などを)やってみようかな』という人」を指すという。

軽い気持ちで始めようとする人は、事業をスタートしても、協力業者に仕事を丸投げする傾向が高い。そうなれば、いつかは事業が行き詰まるリスクも同時に高くなるため、融資担当者は、面談の中で、お客様の本気度を見抜こうとする心理が働く。

内田氏は質問を重ねる。「実際に融資を申し込んできた方々と、お会いしてきたと思うんですけど、その人たちの人となりを見抜くときに、どこを見ているんですか」

蜂谷は、「実績と実態の乖離がないかどうか」と答えた。審査書類に書かれた決算書の数字が立派なものでも、内容が疑わしい場合は、お客様の自宅や会社に訪問して、実態と乖離がないかどうかを確認する可能性があるという。

「融資して万が一返済が滞ったときに、それを補填できる別の所得があるかも見ます。その所得が、安定して入ってくる所得かどうかも、大事なポイントです」

融資経験が長いだけに、蜂谷の回答は滑らかだ。内田氏は「その人の人生に踏み込んだ形で融資を判断されるんですね」と感心した様子を見せた。

融資のプロセスは金額次第

ここで話題は、「融資が決まるまでのプロセス」の詳細に焦点があたる。「実際にどう流れていくものなんですか?」。内田氏の素朴な疑問は続く。

融資が決まるまでのプロセスは、融資金額の多寡によって変わるようだ。蜂谷は次のように解説する。

「融資金額によっても変わりますし、事業性資金なのか、マンション資金なのか、さらに銀行によってやり方が違うケースもあり、本当にさまざまです。

さらに言えば、銀行の支店長決済で融資できる上限額が決まっていて、それを上回ると本部の部長決済、そしてそれを上回る融資額になると、銀行内部の『審査会』というものに上がります。審査会を週1で実施する銀行もあれば、2週間に1回しか実施しない銀行もあります。審査会にあげる場合は、お客様はそれまでに審査書類を用意しないといけません。金額のボリュームによって準備の仕方が全然変わってくるのです」

蜂谷の解説を受けて内田氏は「よく銀行を舞台としたドラマがありますけど、(銀行内部のやり取りを見ていると)ちょっとドキドキしますよね」とコメントした。

連帯保証人の「事故歴」にご用心

ここで本題に移る。成功する融資と失敗する融資は、何が違うのか。内田氏は次のように質問を続けた。

「実際に蜂谷社長が融資を担当されたときに、『これは成功したな』と思う事例と、『これは駄目だったな』と思う事例を、具体的なものを教えていただくことはできますか」

これには、さすが融資経験が豊富な蜂谷だけに、複数のエピソードが滝のように流れるように出てきた。まずは成功した事例から紹介したい。

一つが、顧客が希望する額面以上の融資を実現した事例。もちろんその事業計画書に行員がアドバイスをして、収益性が上がる仕組みをつくることが前提となる。そしてそれは、決して簡単なものではない。

「お客様の事業性を把握した後に、(事業の)ボリュームを上げる余地があると踏んだため、お客様にその旨を提案しました。

例えば1億円の融資申し込みのところ、『こういった要素を加えていきながら、1億5000万円の事業融資に変えたら、もっと効率的に収益が上がっていくモデルができるんじゃないですか』という提案もさせていただいたのです。

しかし行内で承認を得るためには稟議書をつくり、審査役や本部の理解を得なければいけませんが、新しいビジネスモデルや事業の詳細を稟議書にすべて盛り込むことはできません。そこで内部で理解を得るために、お客様の人柄や詳細をよりわかってもらえる補足資料をたくさんつけくわえて、融資を実現した事例がありました」

融資担当者の、執念で勝ち取ったケースだ。そしてもう一つの成功事例が、「支店相談では叶わなかった融資が、本店相談で叶った」という事例。同じ銀行なのに、そんなことがあり得るのだろうか。

蜂谷は解説を続ける。「あるお客様が支店に融資を申し込んでこられました。でも支店では、融資が否決されました。当時私は本店に勤めていて、お客様のお父様とお付き合いがあったご縁もあり、支店融資が叶わなかった娘さん夫婦が我々のところに相談にこられました。

そして、最終的に融資を通したことがあります。同じ融資額なのに、支店でできず、本店でできた。これは本来おかしいことですが、行員もヒトなので、理解が深まれば、『この案件は取り扱い可能ではないか』と判断することもあります。本当にやり方次第だと感じました」

融資が通るかどうかは、巡り合わせの要素もかかわってくる。

逆に失敗例もある。それが、最後の最後で、連帯保証人の属性が審査条件を満たさなかったときだ。蜂谷は次のように振り返る。

「集合住宅の建築資金の融資案件の際に、連帯保証人に息子・娘さんを安易に据えたことで、失敗したケースです。融資を受けるお父さん・お母さんご本人の属性は問題なかったのですが、しかし息子さん・娘さんのクレジットカード情報を見てみると、延滞履歴やその他事故情報があった。

融資手続きは順調に進んでいたのに、最後の最後で、その融資は流れてしまいました。たったひとつの情報だけで、ほぼほぼOKだった融資が、取り扱いできなくなってしまうこともあります。初めからそれがわかっていたら、他のやり方を提案できたと思います」

内田氏は「最後の最後でもどかしい、悔しい気持ちになりますよね」と返答し、「融資が受けられる、受けられないは本人の問題もありますけど、金融機関の担当者がどれだけ知識を持っていて、どれだけ同じ気持ちで一緒になって頑張ってくれるかって、すごく大事なことなんですね」とコメントした。

蜂谷は「一番大事」と強調した。銀行によって「やれる」「やれない」ということはなく、実際は担当者によって「できた」「できなかった」が分かれるケースが圧倒的に多いという。そのため、良い担当者と巡り会えることが、一番大事かもしれない。

担当者探しの苦労は、半永久的に続く

しかし良い担当者を出会えたからといって、「融資もずっと安泰」というわけにはいかない。行員は3〜5年周期で支店間を異動する。顧客としては、気の合う担当者と長くお付き合いしたいため、行員の異動に合わせて顧客も異動先の支店で別の融資をしたいところだろうが、その手のやり方は、原則できないのだという。

「定期的な異動があるのは、お客様と仲良くなってはいけないため。理由は、情が起きて、本来融資できない会社に無理に融資をしてしまう可能性があるからです。だから大体3年、長くても5年のスパンで異動になります。

そうすると、3年前に出会った担当者に融資のお願いしようと思ったときには、すでに転勤になっているケースはよくあるようです。例えば渋谷支店で融資をしてもらいました。その担当者が青山支店に移りました。それで、青山支店で融資をしてもらおうとすると、それができないんですよ。一度渋谷支店で融資を受けた人は、渋谷支店でなければ融資できない仕組みなんです」

担当者が定期的に異動するとわかれば、定期的に融資を望む人は、その時々で自分で動いて、自分に合った担当者にお願いするのが一番ということだろう。

内田氏は「ちょっと切なくなってきました(笑)。そういう状況があるということを知っておくのも、すごく重要なことですよね」とコメントした。

細かく重厚な審査書類を一枚一枚チェックするーー。銀行融資の作業イメージはおおよそそんなものだったが、今般のラジオ番組を拝聴して、融資の印象が一変した。数値や文字だけでは推し量れない、極めて属人性の高い業務であることを知った。そして融資担当者は、3〜5年周期で支店間を異動し、顧客は原則、担当者を追随することが禁止されている。数年後に再度相談したい顧客は、その都度、別の担当者を探さなければならない。汗を流しただけ、良い担当者と巡り会える可能性も高くなる。顧客も努力が必要な点では、他のビジネスと一緒だ。

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