夢を現実にするために。

世田谷・目黒・渋谷で不動産投資を始めたいという方に、夢を現実にする第一歩として、役立つ情報をまとめたコラムをご用意しました。不動産投資の知識をしっかりと身に付けることで、失敗しないための工夫はいくらでも出来ます。日々変化する投資市場に対応するために、最適な資産運用の方法を常に追い続けましょう。


第11回ーすでに私生活に浸透している「フィンテック」の現状ー

ラジオ番組11回目のテーマは「ここまで進んだ金融サービス」。新しい金融サービスや金融業界の現状を知ることは、資産形成を行う意味でも大事な教養になるはず。そこで今回は、スマートフォンで自動管理できる家計簿アプリを提供する株式会社マネーフォワードの代表取締役社長CEOの辻庸介(つじ ようすけ)氏をお迎えして、金融にかかわる話を広い視野で語ってもらった。最新技術を駆使した「フィンテック」(ファイナンスとテクノロジーを掛け合わせた造語)は、私たちの私生活に、どのくらい浸透しているのか?辻氏が3回にわたり解説する。


「フィンテック」という言葉が世の中に広まってきた。長らく信用金庫に勤めてきたフェイスネットワーク代表・蜂谷二郎も、感じるものがあるはずだ。

そこでラジオパーソナリティの内田まさみ氏は、蜂谷に次のように質問。「蜂谷さんが信用金庫に勤めていた時代と今では、やはりサービスが全然変わってきているんじゃないですか?」

蜂谷は「そうですね」と即答。「金融サービスが変わってきたことによって、銀行の業務が効率的になりました。昔の一店舗あたりの人員に比べたら、今の人員は少なくなっています。テクノロジーの発達により、人が介在しなくてもサービスが提供できるようになっています。すごいことだと思います」

蜂谷の言葉には、「フィンテック」に強い興味があることがうかがえる。「マネーフォワードさんといえば、家計簿アプリが主力サービスだと思います。このサービスが思いついた経緯は何ですか」

辻社長がマネーフォワードを創業したのは、今から7年前の2012年5月。スマートフォンで家計簿を楽に管理できる家計簿アプリをリリースした。まずはその経緯について辻社長に語っていただく。は次のように語る。

家計簿アプリの人気の秘密は「お金の見える化」

「もともとは『マネックス証券』というネット証券会社に9年ほど勤めていました。ユーザーさんと接するときに、運用に行く前に、そもそも自分がいくら持っていて、いくら使っていて、なぜお金が貯まらないのかとか、そういうことが全然わからないという方が結構いらっしゃいました。

しかし資産運用するには、お金の流れを把握する必要があると思います。ただ、家計簿ってつけるの大変じゃないですか。そこで、家計簿を自動でつけられるサービスがあったら、みんなに喜んでいただけるんじゃないかと思ったのがきっかけです」

マネーフォワードの家計簿アプリの利用者数は750万人。蜂谷もマネーフォワードの家計簿サービスを身近に感じているようだ。

「実は、当社のオフィスで私の前に座っている女性社員が、家計簿アプリを使っています。『見てください社長!』と言って、みせびらかしてきます笑。レシートを写メで撮影すると、アプリ内で自動で仕訳してくれる機能に興奮していました笑」

内田氏も「実は私も使っていて、『銀行から出金がありました』といったお知らせが、全部くるんですよね。しかもそういった情報が確定申告に紐付くようになっています。すごくお金の流れがわかりやすくなって、便利で楽になりました」と笑顔を見せる。

辻社長は「簡単に、『お金の見える化』がスマホでできることが、喜んでいただけているポイントかなと思います」とコメントした。

フィンテック企業は「モノづくりの会社」

蜂谷社長の疑問は、旧来の金融機関とフィンテック企業の違いに及ぶ。その点、辻社長はどう捉えているのだろうか。

一番の違いが、職種の構成比率だという。辻社長は「我々の社員数は現在500人ほど。でも500人のうち、4割くらいがエンジニアやデザイナーなんですね。従来の金融機関さんだと、エンジニアやデザイナーの社員はほとんどいないと思います。我々はどちらかというと『モノづくり』の会社。そこが大きく違うかなと思います」と説明。

モノづくりの会社かどうか、という見方はわかりやすい。その点、蜂谷も共感した部分があるようだ。「我々も不動産業ですが、見方を変えれば当社もモノづくりの会社です。営業人員は10人しかいません。一方、設計・工事担当者は70人ほど。社員の半分は、ITの世界でいえばエンジニアみたいなポジションの人たちなんです。不動産業界の中では、ちょっと異例な立ち位置です」

辻社長は「不動産業というと、営業スタッフが多数を占めるイメージがありますよね」と返答した。

フィンテックはすでに生活に欠かせない存在に

本題に入る前に、そもそもフィンテックにはさまざまな業態がある。わかりやすくい整理すると、どんな領域に分かれているのだろうか。

辻社長も「フィンテックの概念は本当に広い」と共感し、次のように整理して説明してくれた。

「フィンテックは金融業界すべてにかかわってきます。家計簿サービスもありますし、いま僕らがやっている中小企業向けの「クラウド会計」もあれば、お金を借りるサービスもあります。あとはロボアドバイザーみたいな資産運用サービスなども。最近は、キャッシュレス決済も盛んです」

内田氏は「これって、私たちの知らないところで、テクノロジーが動いていたりするくらい、身近なものになっているんですか」と質問。辻社長は「生活に徐々に入り込んでいる感じはします」と答えた。

「キャッシュレスでいえば、『Suica』や『LINE Pay』、『PayPay』など、周囲でお使いの方もたくさんいらっしゃると思います。我々が提供している『クラウド会計』なども、小さな飲食店などにも入っていまして、手入力なしで会計業務が楽にできる効果も入ります」

内田氏は「すでに生活に欠かせないサービスになっていますよね」とコメントした。

フィンテックと金融機関は「共存」の関係

フィンテックが身近に浸透しているということは、旧来の金融機関にとってのフィンテックは、活躍の場を奪う「脅威」に映る見方もあるだろう。

金融機関出身の蜂谷も、その辺の事情に敏感な様子。「フィンテック企業って、金融機関にとっては、今後脅威となる存在なんでしょうか」とストレートに質問した。

辻社長は、一部を否定。フィンテックと金融機関は、現段階では「共存」のステージにあることを伝える。

「初めはよく『フィンテックは黒船』という議論は初めのほうがはありました。そういう面も確かにあるかもしれませんが、一方で我々は金融機関様と積極的に協業させていただいています。

元々は我々の得意分野はサービス設計。一方で金融機関の強みは、「信用・信頼」「多くの顧客」「アセット」といった無形資産を持っていることです。よく一緒に『新しいユーザー接点をつくろう』『スマホ上で良いプロダクトをつくりたい』とご一緒してつくらせていただき、実際に30行以上の金融機関様に我々のサービスをご提供したりもしています。

この手の話は金融業界に限らず、色々な業界がスマートフォンやクラウドサービスによって、ビジネスモデルが変わっている最中かなという感じはします」

では具体的にどんなサービスを銀行に提供しているのか。辻社長の解説は続く。

「例えば『マネーフォワード for 静岡銀行』などは、実際に我々が静岡銀行様にご提供しているサービスです。これは集客に役立ちます。スマホから店舗にきていただく仕組みをつくるなど、これからは新たな顧客接点・サービス提供をしていく段階になっていくと思います」

不動産業界の「テクノロジー化」は今後が正念場

今度は辻社長が、蜂谷に話を振った。「金融業界がフィンテックで変わっていくように、これからは不動産業界もテクノロジーで大きく変わっていく段階ですよね」

不動産テックとは、先のフィンテックのように、「不動産」「テクノロジー」を掛け合わせた造語を指す。不動産テックの個々のサービスにも、AIやIoTの力で、不動産をめぐる情報収集や業務の在り方を一変させる可能性を秘めている。

蜂谷は辻社長の質問に対して、「不動産テックについていけない会社は生き残っていけないと言われています」と答えた。

「例えば不動産価格の相場がリアルタイムに誰もがわかるようなサービスが、これからは実用化されていくと思います。それば浸透すれば、不動産売買の選択肢が増え、自分にとって理想的な物件をどういう形で選んでいくかというところも、不動産テックによって大きく変わっていくでしょう」

一方、不動産テックに関しては、蜂谷の中では否定的な見方もあるようだ。

「不動産業界は、テクノロジー化が一番遅れている業界とも言われています。なぜならば、不動産は株式と違い、モノによってまったく性質の異なる商品。価値の査定はそう簡単に行かないと思います。不動産テックの浸透は、ちょっと難しいと心の中で感じています。

例えば10階建てのマンションが建てられるような場所に、3階建てのマンションが建っているケースがあります。商品設計によって価値がまったく変わってくるんですよね。そこを、AIがどれだけ高い精度で査定できるかは、現状ではまだまだ難しいと感じています」

辻社長は「すでに米国では、不動産テックは広がっている感じを受けますけど、日本での浸透はこれからなんでしょうね」と返した。

今回は、資産形成に密接にかかわる「金融業界」の最新動向が語られた。マネフォーワードの「家計簿アプリ」の利用者数が750万人も存在するということは、実際にそれに近い人数が、自分のお金の流れを把握しているということだ。フィンテックは、自分の知らないところで広く浸透している。効率的に資産形成・資産運用を行うなら、今一度、面白そうなフィンテックサービスを物色して、活用してみない手はないだろう。と感じた次第。

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