夢を現実にするために。

世田谷・目黒・渋谷で不動産投資を始めたいという方に、夢を現実にする第一歩として、役立つ情報をまとめたコラムをご用意しました。不動産投資の知識をしっかりと身に付けることで、失敗しないための工夫はいくらでも出来ます。日々変化する投資市場に対応するために、最適な資産運用の方法を常に追い続けましょう。


第13回ーAIの影響はいかに?金融機関でなくなる仕事、残る仕事ー

ラジオ番組13回目のテーマは「金融業界はこれからどうあるべきか」。仮想通貨やブロックチェーンといったITテクノロジーを使ったサービスが現れはじめる中、お金を扱う金融期間の働き方や役割はどう変わるのだろう。今回も、株式会社マネーフォワードの代表取締役・辻庸介氏を招いての対談。フィンテックサービスの第一人者が捉える金融業界の未来像に触れることは、投資初心者の教訓になるだろう。


お堅いイメージのある銀行、信用金庫、信用組合。これらは投資家や事業家にとって資金調達をするための欠かせない存在だ。しかし人工知能(AI)やテクノロジー(IT)の進歩によって世の中の働き方が変わる中、大事な資金調達先となる金融機関の中のルールも急激に変化している。

身近なシーンを挙げれば、官民で普及をすすめる「キャッシュレス決済」だろう。長らく紙幣・貨幣を使用してきた取引・商慣習が、現代では目に見えない“データ”を使った取引へ少しずつシフトしている。

キャッシュレス決済が浸透するほど現金の使用シーンは少なくなり、現金を入出金するATMの必要性も薄れてくるだろう。実際、全国各地のATMの統廃合を進める大手金融機関が出てきているほどだ。

株式会社フェイスネットワーク代表取締役社長の蜂谷二郎は「(キャッシュレス決済が普及すると)お札やお金がなくなる時代がくるのでしょうか」と問いかけた。辻氏は「あっという間に普及すると思う」と答える。

紙幣・貨幣がなくなると「現金志向の日本人に馴染まない」「高齢者は現金好き」といった議論が出てくるが、20〜30年後の未来を見据えると「財布って昔あったんだな」という会話が出てくるようになるかもしれない。「スマートフォンが登場したものたかだか10年前。キャッシュレスも徐々に『楽ですよね』という感想になってくると思う」。世の中の変化を、辻氏はこのように捉えている。

だが業界をとりまく変化の目は「キャッシュレス決済」だけではない。いま金融機関の背後で急速に進化を遂げているのがAIサービスだろう。人間が行ってきた事務作業や判断作業の役割が、AIに取って代わるのではないかとあらゆる議論を呼んでいる。

顧客の機微を読み取る“対面業務”は生き残る

信用金庫で融資担当を務めてきた蜂谷も「なくなる仕事が出てくるでしょう」と言う。
一方辻氏は「いきなり人がいなくなるとは思ってはいません。AIやITに置き換わりやすい仕事、人間が行う対面が望まれる仕事に分かれてくると思う」と分析する。

例えばマネーフォワードが中小企業むけてに提供している『MFクラウド会計』では、会計処理というルーティンを仕組みで効率化し、従業員の生産性を上げたいというニーズに応えることはできる。だが「社長の経営の悩みなどは機械にはできない。そういう意味で“相談業務”は残ると思う」と言う。

将来的には人間の相談事に対して、AIが色々な解決ケースを提示する“ツール”としての役割も果たすと強調。「孫正義さんのAIロボットができれば…」と笑いを誘ったシーンもあった。

今度は、ラジオパーソナリティの内田まさみ氏が蜂谷に質問を投げかけた。「対面と、対面でないサービスのそれぞれの良さをどうお考えですか?」

まず大前提として、同じ“対面”でも、分解すると2つの役割に分かれると蜂谷は語る。1つ目が「定式要件」。例えば住宅ローンのような融資サービスは、相談者の信用性を数値化するスコアリングという作業を伴う。一方、顧客から意見をもらって付加価値を高める事業提案を行い、顧客に「そういう発想もあるのか」と思わせるサービスなどは「非定式要件」だという。

上の2つのうち定式要件に当てはまるサービスは「AIが得意とするところ」と辻氏はいう。すでにマネーフォワードでは「AI融資(クラウド資金調達?)」をスタート。辻氏は次のように見解を述べる。

「(銀行が融資をする際は)担保価値を確認したり、バランスシートを使った計算が必要です。しかし今では現金収支をリアルタイムで算出できるため、(融資担当者は)収支をみながら『この人現金収支が200万円あるから、仕入れて売上がたつから利益でる。それでは200万円貸しましょう』などと、データがあることによって融資の幅が広がりやすくなります。こうしたサービスはリクルートや楽天、アマゾンも始めています。『お金があればビジネスを伸ばせたのに…』という中小企業が、顧客のキャッシュフローをヒントに融資の幅を広げられる世界になってきています。これはまさにAIが得意なところでしょう」

しかし融資検討先の企業の事業が、将来どれくらい有望なのか、夢があるのか。そこについては「やはり人間が入って、顧客(社長など)の人格や実績をみて判断されると思います」と補足した。蜂谷は「将来性をAIがどこまで判断してくれるかは、私としては楽しみにしています」とコメントした。

不動産業界にもテックの波

対談では、テクノロジーをめぐる不動産業界の変化についても触れられた。この点の見解について、今度は辻氏が蜂谷に質問を向けた。

蜂谷は一例として「オンライン重説のニーズが高まっている」と答えた。賃貸住宅を借りる契約を結ぶ際、これまで重要事項説明を対面で受けなければならなかったが、今ではテレビ電話を使った対応(オンライン重説)が可能になった。つまり、借りる人は重要事項説明のために不動産店舗に来店しなくて済むようになったのだ。

蜂谷は辻氏に「“クラウド相続”をつくってほしい」と冗談交じりでアプローチ。辻氏は「やりたいですね」と応答。すでに『マネーフォワードミー』で関連市場を調査しているという。

例えば、相続対策の足かせとなる認知症をめぐり「(認知症の人は)ATMに何回もいっちゃったりするらしいんですよ。データを見ていたら予兆を早めに察知できるようになる。あと相続も大問題になるので、先に「マネーフォワードミー」にデータを入れてもらって、何かあったときに相続人にデータを飛ぶようにする仕組みがあれば、社会問題を解決できるきっかけになるかもしれません」

蜂谷は「リアルタイムに資産状況がわかれば、対策の打ちやすくなりますよね」とコメントした。

金融業界をめぐるテクノロジーの進化は、資産形成・資産運用に関心を持つ人なら常にアンテナを張っておきたいテーマ。家計簿や会計を正確に自動処理し、金銭管理の手間が効率的になるサービスを知れば、それは資産形成を行う上での重要ツールとなる。また事業家として融資を申し込む際も、融資にかかわるテクノロジー・サービスを少しかじっておくだけで、融資の裏でどんなアルゴリズムが働いているのかを学ぶことも可能だろう。そうなれば、日頃から自分の信用スコアをどう高めればいいのかが、わかるようになる。AI・ITの進化は、金融機関だけでの問題でなく、投資家にも深くかかわる重要テーマであることがわかってくると思う。

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