夢を現実にするために。

世田谷・目黒・渋谷で不動産投資を始めたいという方に、夢を現実にする第一歩として、役立つ情報をまとめたコラムをご用意しました。不動産投資の知識をしっかりと身に付けることで、失敗しないための工夫はいくらでも出来ます。日々変化する投資市場に対応するために、最適な資産運用の方法を常に追い続けましょう。


第24回-不動産市場の“三極化”は先鋭化する-

テーマは「プロが提言する100年先まで価値のある不動産選び」。今回は、不動産のプロ中のプロと言われる、株式会社さくら事務所代表取締役会長の長嶋修(ながしまおさむ)氏が登場。テーマをもとに、フェイスネットワーク代表取締役社長の蜂谷二郎と対談形式で、それぞれの持論が展開された。100年先まで見据える不動産選びは一見難しそうだが、長嶋氏は「それほど難しくない」という。そのコツを、順を追って紹介しよう。


番組では、不動産選びをテーマに、ゲストの長嶋氏中心に解説が展開された。最初の質問は「不動産の価値を予測する上で、どんなポイントをみれば良いか」。長嶋氏は「全体像を押さえると、見えてくる」とアドバイスを送る。

不動産市場は“三極化”が進んでいる

長嶋氏によれば、日本の不動産市場は三極化が進んでいるという。上位15%が、価値を維持・上昇余地がある不動産。都心の一等地はもちろん、都市郊外にも一部そのようなところがあるという。

70%が、これから下落するしかない不動産。下落のペースは場所によってまちまちだが、例えば年率4%のペースで下落している不動産は、15年下落を続けたら、大体半値になってしまう。そして下位15%が、無価値、あるいはマイナス価値の不動産だ。ゼロ円でもひきとってくれないような土地だ。長嶋氏は「全体として落ちていくように見えても、内訳はさまざま。三極化は、これからさらに先鋭化していく」と説明した。

ラジオパーソナリティの内田まさみ氏は「数字をうかがうと、不動産市場は厳しい状況にあると感じます」と応答。蜂谷は「そのような状況でも、不動産投資に興味を持たれる方がたくさんいて、その方々は色々と工夫していきながら、自分の不動産投資の手法を確立しようと頑張っています」とコメントした。

上位15%の不動産の見極め方とは?

次に出てきた質問が「不動産の価値が下がらない条件」だ。長嶋氏の結論は、一にも二にも三にも立地。立地さえよければ、後はそこに立つ建物の企画に大きな間違いがなければ大丈夫、という内容だ。

「いま空き家問題がクローズアップされていて、そしてこれからの人口が3000万人以上減ってしまうと喧伝される中で、確かに不動産投資をやっていいのだろうか、という疑問は出てくると思います。しかし、それは結局どこでやるかによるんですよね」

それでは、不動産価値が維持、ないしは上昇余地が
残されている“上位15%”の不動産を、どう見極めていけばいいのだろうか。以下、引き続き長嶋氏が解説する。

「結局は、人口動態を見るしかありません。今から10年、20年、30年後に、人がどこに集まるかに左右されます。それは仕事の仕方、働き方によっても変わってきます。

オフィスであれば、どこに拠点が求められるかという視点が大事になってきますね。基本的には都心部の、さらにターミナル駅のような誰もが知っているような立地が肝になるでしょう。地名も大事ですね。

駅からの距離は、今はなるべく近いところがよいです。一般的な中古マンションだと、今は駅から求められる距離がどんどん短くなってしまっていて、今は駅から1分離れるごとに、3LDKのマンションが100万円ずつ下がる傾向が見て取れます。

例えば「5分で500万円」「10分で1000万円」のように、大きい格差が生まれてしまっているんです。そういう状況を受け、今は新築マンションのデベロッパーも徒歩7分を超える用地の仕入れは、慎重になっています。徒歩7分以内だとパッと決めてしまいますが、それ以上だと色々な工夫が必要になります。

今の現役世代は車を持たない人が多いし、あとは共働きの比率が大きくなったことも関係しているでしょう。色々な意味での利便性を大事にするということがポイントですね。空間よりも時間が大事にされてきているように思います」

内田氏は「現役世代はもちろんそうでしょうが、高齢者社会ですから、歳を重ねたときに、色々な物がある場所に住みたいとなると、高齢世代も現役世代と似た条件になってくるのかもしれません」とコメントした。

長嶋氏は「そうですね。いわゆる昔のベッドタウン、郊外の駅前とか駅直結でタワーマンションが建ったりしていて、周辺相場と比べるとものすごく価格が高いんです。それでもタワマンがボンボン売れていくのは結局、郊外の駅から遠い場所に住んでいる人たちが利便性を求めて真ん中に集中するかに他なりません」と解説。郊外の高齢世代の立場にたてば、車の運転面倒臭いし、広い庭はいらないし、駅近になれば孫も遊びにきやすくなるし……と利便性を追求することで得られるメリットが非常に大きくなってくるという。

蜂谷も「そういう意味でも、不動産投資において、立地選びが非常に重要になってくる」と同調。フェイスネットワークでは、駅徒歩5分以内の物件を多く開発しており、こうした条件を満たすとマンションの入居率も高くなる可能性が高くなる。「そういった条件を慎重に考えるオーナーさんが非常に増えてきている」という。

内田氏は「立地選びに始まり立地選びに終わる…みたいな感じかもしれません」と応答し、だからこそ不動産市場の三極化が進んでいると理解を示した。

近い将来、不動産評価の在り方が変わる

人気のある不動産選びは分かったが、今回のテーマである「100年先まで価値が続く不動産」となると、見極めのハードルがグッとあがりそうだ。コツはあるのか。長嶋氏は「まずはとにかく立地。そして100年先を予想するのはそれほど難しくない」と回答。以下、詳細を次のように解説する。

「今の日本の不動産価値は、建物が新築のときに価格が一番高く、時間が経つとどんどん減価していくのが常識になっています。しかしそれは日本だけの常識です。OECDに加盟するような諸外国は、日本のような評価の仕方をしていないんですよね。

そこで今、実は日本でも遅ればせながら、築年数の関係ない価値評価にフォーカスしようという動きが制度的にも始まりそうなんです。

おそらく5年ほどすると、築年数の関係ない評価軸ができるでしょう。築50年でも「事実上まだ15年ですね」という評価のされるようになるかもしれません。もっとも、しっかり建築されていて、定期点検もほどほどにやってあって、そして建物の企画がちゃんとしていればの話です」

内田氏は「そのままの状態の、建物の本当の価値をしっかり図ってくれるということなんですか?」と質問。長嶋氏は「はい、ある意味で公平になります」と応答した。

それは言い換えると、築年数の浅い、例えば築10年の建物でも、設計が脆弱で、建物の企画が悪ければ、築年数は10年でも「事実上40~50年ですね」と判定されるリスクもあるということだ。まずは立地ありきで、その上に立つ建物がきちんとしていれば、資産性としてもキープされる可能性がものすごく高くなるという。

長嶋氏は次のように解説を続ける。

「例えばドイツでは、住宅ローンの返済期間が80年というケースもあるんですよ。それは結局、借りた本人が死ぬまでに完済する前提でなく、次の世代に継承していくローンということになります。住宅の価値がどこまでいっても落ちないので『別に死ぬまでに完済しなくてもいい』という前提に立っているんです。

そのような不動産を、日本でも選ぶことができれば、融資を受けて借入金を返済していくことが貯金しているのと一緒ということになります。不動産に価値貯蔵機能ができるとも言えますね」

蜂谷は「法定耐用年数と実際の耐用年数が分かれてくるという形になる」とコメントした。長嶋氏によれば、金融機関と国土交通省の情報開示の姿勢が整えば可能になるという。一応金融庁としては、築年数が経つごとに建物の評価を低くしようという風には指導したことがないと回答しているという。

内田氏は「不動産業界は大きく変わろうとしている。これからはより良い立地を、そしてより良い建物を、という方向に流れていくわけですよね」と応答。蜂谷は「そうですね、そういった物件をオーナーがどう持たれるかが問われる時代が、近い将来、やってくるということです」とコメントした。

価値の高さが続く上位15%の不動産を見極めるには、人が集まる目立つ都心部を選べばよい――。こう書くと長嶋氏の持論はシンプルだが、奥が深い。今後築年数によらない価値評価が日本で生まれ、定着することを考えると、今度は立地の良さだけでなく、建物の良さも評価軸に加わってくる。建物の設計、企画、そして建築後の定期点検がしっかりしていれば不動産価値も評価されるが、その逆なら、立地が良くて築年数が浅くても、その分、不動産価値が下がってしまう。不動産投資の潮流は、これからも確実に変化する。投資家には、常にアンテナを張り続ける勤勉さがより求められてくるに違いない。