高収益物件完成までの道のり
心がほっとするようなやさしい色合いのアクセントクロス、持ち物が多い女性のために各所に備えつけられた収納棚、最新式自動開閉型トイレなど、女性の住み心地のよさを追求したST恵比寿。 駅から徒歩7分という好立地に2014年に竣工しました。 居住者すべてが女性という人気物件は、どのようなプロセスを経てつくられたのでしょうか。 今回は特別に、オーナーであるS様と設計担当者の久野泰浩にお話してもらいました。
神奈川県横浜市生まれ。経営者兼ST恵比寿オーナー。
横浜市に2棟、都内に1棟の不動産投資物件を所有。
常に情報収集を行い、入居者が満足する物件を目指している。
INTERVIEWER
設計担当者 久野 泰浩
鹿児島県生まれ。多摩美術大学美術学部建築科卒業。
株式会社フェイスネットワーク設計部のチームリーダー。
ユーモアのセンスと安定感でチームを牽引。
お久しぶりです。ST恵比寿、おかげさまで現在満室となっています。
ありがとうございます。うれしいですね。S様はオーナーとして、素晴らしい意見をたくさん提案してくれました。結果、非常によい建物に仕上がり、担当者として満足しています。
S様はインターネットでフェイスネットワークを知ったと伺いましたが。
はい。元々不動産投資用の土地を探していました。銀行に紹介してもらうなどして、100件以上の土地を見ていましたが、どれも似たりよったりで魅力を感じなくて。そのような時にインターネットで偶然フェイスネットワークを見つけました。土地購入から物件売却まで一貫した体制に惹かれました。これまでに手がけた物件を見せてもらうことができて、フェイスネットワークで建てたいと、決断できました。
今回手がけた恵比寿の土地は、駅から徒歩7分の南向きの土地という掘り出しものでした。
予算内でこんなにいい土地が見つかったのは幸運でした。即決でしたよ。その後、さらにフェイスネットワークがこれまでに手がけた物件をじっくり見学できました。建築前にしっかりと物件を見ることができて勉強になりましたし、建物全体はもちろん、細部までイメージがわいてきました。
2013年2月に建設が始まり、2014年5月に完成するまで、何度も打ち合わせを行いましたね。S様は「女性が暮らしやすい部屋とはなにか」をしっかりと考えたうえで提案してくださったので、その思いを最大限実現したくて、基本設計からディティールまでさまざまな検討をしました。
私はプロではないので、設計者にすべてお任せしたほうがよいのではと思ったこともありました。ですが、素人だから気づくこともあるはず、と全体はもちろん細部に至るまでとことん提案しました。久野さんはどんな無茶な提案も決して「できません」とは言わなかったですね。今でもよく覚えているのは、アクセントクロスの色を決める時に完成イメージがわからないと伝えたら、実際に1部屋つくって確認させてくれたことです。当初サンプルで魅力に感じた色を実際に壁一面に貼ると、イメージと大きく違いました。最終的には、眺めていると心がほっと和むような淡い水色、オレンジ、そしてモザイクタイルのアクセントクロスに決定しました。
目で見て確認するのがいちばんですから。疑問に感じたことは放置せずに現場で試作し、打ち合わせと確認を心がけました。
基本設計の段階では、とくに何度も変更がありましたね。独立トイレをつくるか、浴室に窓をつけるか、久野さんは私の提案に実現可能なアイデアで答えてくれましたね。
S様の提案を反映させて、8パターンの間取りを提案しました。女性目線が大切ということで、プロジェクトの女性スタッフの意見を取り入れ、一緒に選んで決めましたね。最終的に、独立キッチンに広い居室を実現した間取りになりました。魚焼きグリルをはずして2口コンロを設置し、調理スペースも広くしました。また、トイレや洗面所などにできるかぎり収納スペースを設けました。結果として、キッチンや収納量の多さが入居の決め手となった方も多いようです。居住者がすべてが女性なので、女性が喜ぶ部屋づくりができたのではないでしょうか。外部のデザインについては、縦のラインを強調するコンセプトは変更がありませんでしたが、窓のデザインや外壁の構成については、建設中もギリギリまでディスカッションを行いました。
今回の物件には大満足しています。実は今新たな物件建設を考察中で、土地を見学しているのですが、フェイスネットワークは「よい土地を探す力」が大変優れていると思います。たとえ狭い土地や駅から遠い不利な土地であったとしても、入居者の住み心地のよさとおしゃれなデザインを両立させた物件を建てることが得意ですよね。そして、なによりも、「オーナーとともに建てる」という意識がしっかりとあるので、私のように細部まで妥協せずにこだわりたいオーナーにとって、ベストパートナーになってくれるのではないでしょうか。
大変うれしいお言葉をありがとうございます。これからも宜しくお願いします。