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INTERVIEW

“デスクワーク”と“茶飲み話”で現場を回す。

建築二部

2015年新卒入社只野 弘照

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  • 仕事内容“カントク”は事務所にいる。
    現場に出るのは、休憩時間だけ?

    施工管理技士=“現場監督”というと、常に工事現場の一角に陣取って、職人さんを指揮しているみたいなイメージかもしれませんが、それは実際の姿ではありません。僕ら施工管理担当の仕事は、実はデスクワーク・オフィスワークの側面が強いといえます。1日の大半は、現場すぐ近くに設けた事務所に詰めていて、設計図を施工図に直したり、作業計画や予算表をつくったり、訪ねてきた関係者と打ち合わせしたりしています。

    現場に出ていって職人さんたちと接するのは、作業開始前の朝礼と、終業前点検、そして日中の休憩時間です。

    午前中に1回。昼休みとは別に午後にもう1回。おおむね2時間作業を続けたら30分の休憩を設けるのが、業界全体のルール。職人さんたちには体を休めてもらうのですが、そのとき一緒にお茶を飲みながら、進捗状況の確認や、次の作業に向けた相談をします。作業中に気づいたことがあれば、それも情報共有してもらう。“休憩”なのに、頭はあんまり休められていないような……でも、このコミュニケーションが現場の作業効率を上げるし、不測の事態の防止にもつながる。

    図面や書類に向かう緻密な作業とフランクなコミュニケーションで、現場を円滑に切り盛りする。それが施工管理担当の仕事です。

  • こだわり「段取り8割」
    どれだけ先を見越せるか

    着工準備から竣工まで7〜8ヶ月。工程によって職人さんの顔ぶれは次々に変わっていきます。鳶職、鉄筋工、大工、電設、配管……。ガードマンさんたちの配置も考えなければなりません。立場が違い、持っている技能も、関わる期間も異なる人々を、滞りなく動かしていくためには、われわれ切り盛りする側の、迎え入れ準備が大事です。「段取り8割」などというのですが、どれだけ先を見越した手配ができるか。そこが腕の見せどころです。

    たとえば、施工図。設計担当が心血注いで描いた設計図には、物件の全体像が詳細に記されているわけです。でも、あるパートの施工だけを担当する人にとっては、全体詳細は情報過多。その人にとって余計な部分はあらかじめ取り外して、必要とする部分だけをより精密に、より具体的に描いた施工図が求められます。それをつくるのは、施工管理担当です。

    施工図の出来不出来で、職人さんの作業効率は全然違ってきます。図面に間違いがないか、図面と作業実態に差がないか。それを常日頃より現場確認しています。職人さんたちも、まだ駆け出しの“カントク”が、まともな図面を引けるヤツなのかどうか、しっかり見ているはずですから。

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  • やりがい職人さんたちとの人間関係。
    本物の“現場監督”をめざして

    進学した当初は設計をやりたいと思っていたのですが、現場を知りたかったので、施工管理を学ぶことにしたんです。新卒で入って、他の会社も、他の仕事も知らないので、これが自分にとっての天職なのかどうか、正直言って、まだわかりません。でも、やりたいことに近づけている。そういう実感はあります。

    立場的にはディベロッパーから来た“カントク”ではあるのですが、年齢的にも場数の上でも若造ですから、顔なじみになったベテランの職人さんには、イジられたりもするんです。“カントク”兼“ツカイッパ”というのが実態ですね。ゴミ出ししたり、荷物を運んだり。直属上司にあたる所長は何も言いません。これも修業ですから。

    若造なりに打ち込んで仕事をして、職人さんたちとの人間関係ができてくると、嬉しい瞬間もあります。業務だから、ちょっと無理めな要求をしなければならないこともあったりするのですが、缶コーヒーを手渡しながら「何とかなりませんか?」とお願いすると、「しかたねーなー」と笑顔で引き受けてもらえる。そんな毎日が今は楽しい。

    本物の“現場監督”=責任者になるためには、1級施工管理技士の資格取得が必須。まだ受験資格の実務経験要件を満たしていないのですが、直近の目標はこれです。

  • フェイスネットワークならではのおもしろさ伸びている証拠(!?)
    本社に戻ると“浦島太郎状態”

    担当している現場が稼働している間、現場に張り付いている僕らが本社に顔を出すのは、月に1度の部会のときくらい。現場が終わるとフレックス休暇を取りますから、会社に行くのは1ヶ月半ぶりなんてこともあります。

    久しぶりに出社すると、知らない人が増えている。「新人です、よろしくお願いします」と挨拶される。会議に出ると、社長が自ら「今、会社はどうなっていて、この部署がこう拡大して、新しく入社したのはこういう人」と細かく説明してくれるのですが、浦島太郎になった気分です。

    でも、これは会社が伸びている証拠。この“浦島状態”は、まだまだ続きそうです。

  • ある日のスケジュール

    時間8:00現場で職人さんと朝礼。

    時間8:50事務所に戻り、図面作成。

    時間10:00現場で、職人さんたちと打ち合わせ。

    時間10:30事務所に戻り、図面作業の続きや、資材の積算

    時間12:00昼休み

    時間13:00事務所で作業をし、来客対応

    時間15:00休憩

    時間15:30翌日に向けた確認作業と現場の最終確認

    時間17:00撤収。残務があれば、事務所に戻り作業を

    PROFILE

    2015年、青山建築デザイン専門学校建築学科卒。札幌出身。「就職活動で上京して、予定の訪問先をすべて回り終えて時計を見たら、帰りの飛行機の搭乗時刻まで少し余裕があったんです。もう1社、行けないかと思ってスマホ検索したところ、ヒットしたのがフェイスネットワーク。ダメモトで『もう北海道に帰らないといけない。今から面接してもらえませんか?』と尋ねたら、『すぐおいで』と言ってもらえた。この対応にシビレちゃいました」